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#ソロって団結

「ステイホーム」するにあたって
アスリートが注意したい5つのこと

私たちはいま、一人ひとりが急激な生活の変化に対応するための努力をしています。「ステイホーム」「リモートワーク」「ソーシャルディスタンシング」など、これまで馴染みのなかった言葉が、今では日常生活そのものとなり、その中で自分たちの出来ることを精一杯やろうとしています。もちろん、アスリートもその例外ではありません。

Strava Japan Club では、#ソロって団結 チャレンジの応援コンテンツとして、こういう時だからこそ参考にしたい運動の専門家のアドバイスを、複数回に渡ってお届けします。

最初の3回は、立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授が、今の状況下で運動することについて、より科学的な観点から説明します。筋肉量を効率的に増やすことを目的とした運動や、そのための栄養摂取のしかたについての研究を専門とする藤田先生が、アスリートにまず最初に伝えるのは、自宅待機の状態が続く今の環境で注意したい5つのこと。

Point 1: 筋肉量の低下

「まず、今回のように自宅待機をすることの一番のリスクは、活動量が低下し、それに伴って筋肉量が減少するということ。これはアスリートにも、そうでない人にも言えることです。高齢者を対象としたある研究で、今の自宅待機の状況のように、わざと歩数を減らす環境を作り、1日1400歩くらいまで減らしたところ(一般的には1日1万歩が推奨されている)、2週間で足の筋肉量が約4%減少したという報告があります。一般の人が週3回の筋トレを3ヶ月間トレーニングして増える筋肉量が、大体3〜4%です。つまり、3ヶ月間頑張って得た筋肉を、14日間歩数が減るだけで失ってしまうほどのリスクがあるということです」

Point 2: 栄養障害

「タンパク質は消化吸収されるとアミノ酸となって筋肉を作ろうとします。ですが、不活動の状態を引き起こすと、その作用が抑制され、いつもと同じように食べていても、うまく筋肉を作れなくなるという栄養障害が起きることもわかっています。運動不足と併せて、これがたった14日間で筋肉が減ってしまう理由の一つだと考えられます」

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「また、活動量が減ると必要なエネルギー量が低下していき、自然に食事の量も減りやすくなります。ここで一番注意すべき点は、食事の全体量が減ることでタンパク質の摂取量自体も減ってしまうということ。1日に体重1キロあたり1.0グラムのタンパク質の摂取が一般的ですが、アスリートは1.6gくらいの摂取をお勧めします。タンパク質は糖質や脂質よりも脂肪になりにくく、また糖質にもなれる栄養素です。そして糖分や脂質に比べて腹持ちもいいので、その後で別のものに手を出すというリスクも下げられます。例えばおやつの代わりに、たんぱく質の豊富な水切りのヨーグルトなどもお勧めです」

Point 3: 睡眠への影響

「活動量は食と睡眠に直結しています。運動不足になると、睡眠時間や睡眠の質にも影響してきます。睡眠の質が悪いと、食も高カロリーなものに偏りがちになります。運動をすることで睡眠の質が改善され、食事も健康的に摂取できるという報告もあります。そういった意味でも、習慣的な運動は絶対に欠かせないと思います」

Point 4: ストレスの蓄積

運動をすることによるストレスの軽減や、うつ状態の改善に関する研究は多く報告されています。自宅で待機している人ほど活動量が減るので、通常は運動で軽減できている仕事のストレスなどを解消できないリスクもあります。特に今の状況は、更にストレスが重なっている状況なので、意識的に運動することは、そういった面を改善するという意味でも重要であることは間違いないです」

Point 5: 新しい運動習慣

「今は、どのように工夫して運動するのかを考えることが、求められている状況なのだと思います。日頃からしている習慣化された運動を継続することは比較的楽なのですが、こういった状況の中で、いつもと違うことを習慣づけることは、すごく大変なことです。この状況がいつまで続くかわからない中で、いきなり1日目からいつもと同じ運動量をこなそうとするのではなく、新しい習慣を身に着けるぞという覚悟のもとで、少しずつ積み上げて、それを毎日継続できる運動プログラムとして習慣化するということを目指してやっていくことが良いと思います」


次回:藤田先生が勧める
「ステイホーム」中のトレーニング 〜フィジカル編〜

藤田 聡
立命館大学 スポーツ健康科学部 教授
●2002年南カリフォルニア大学大学院博士号修了 ●博士(運動生理学) ●2006年テキサス大学医学部内科講師、2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科特任助教を経て、2009年より立命館大学 ●米国生理学会(APS)や米国栄養学会(ASN)より学会賞を受賞 ●専門は運動生理学、特に運動や栄養摂取による骨格筋の代謝応答 ●監修本に『図解眠れなくなるほど⾯⽩い 図解 たんぱく質の話』、共著に『体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学』など。

藤田聡教授研究室:https://www.fitness-lab.net
立命館大学が発信するビジネス、テクノロジー、グローバル、ライフ、スポーツ、カルチャーに関する情報サイト: https://shiruto.jp/