「会社の仕事は組織の動きなので自分の意思でコントロールできる範囲が決まっているし、成果や評価も自分の力だけでは変えられません。一方で、ランニングは個人スポーツなので、自分のヤル気次第で結果として表れるから面白いです。強みを伸ばすのか、弱みを克服するのか、目標達成に向けて戦略を立てるところが奥深く、まさに大人の遊びと言えます」
Workout With Data
〜データを使ってワークアウト〜
データでランニングを
マネージする

49歳、会社員。都内で営業の仕事をしているガチオさんのもう一つの顔は、YouTubeやポッドキャストなどでランニングについての発信をする、いま注目の “ランチューバー”。8年前に会社の健康診断で “メタボ予備軍” の宣告を受けたことでランニングを始め、すっかりその虜になったことが、現在の活動の原点。
Stravaは走ってきた軌跡の宝庫
ランニングを始めた2年後、ガチオさんはStravaに出会い、以降6年に渡ってランニングの記録を蓄積している。彼にとってStravaは、今や生活のリズムの一部となったランニングをマネージするための、大切なデータの宝庫となっている。

トレーニングのマネジメント
「データ見るようになったのは、レース本番に走力をピークへもっていきたい、そして成果をしっかりと残したい、と本気で思うようになったタイミングです。データを見るようになってから、何のためにやるトレーニングなのかを自分の頭で考えて行動するようになり、データを確認して走るマネジメントの必要性が分かってきました」
自分の感覚や思いつき、あるいは雑誌や練習会で教わった練習メニューをただこなすだけのスタイルから一転、ガチオさんのトレーニングはデータによって大きく変わった。
最近では移動時間や獲得標高も意識するようになり、照準を定めたレースにむけて期分けをしながら、より効率的なトレーニングを実践している。
「実績を俯瞰してみることで、前半・中盤・後半の運動量の変化を見ています。走り終わってからStravaでケイデンス、心拍数ゾーン、パワーなどを見ることで、それらの変化を確認します。自分の感覚と可視化される数値にズレがあれば、そこが改善ポイントです」
フィジカルのマネジメント
ガチオさんの悩みは、走ることが楽しすぎて、疲労を溜め込んでしまいがちなこと。故障や体調不良を避けるため、ここでもデータを活用する。
その他にも、ハードなトレーニングをした後の回復具合を確認するために、相対的エフォートの傾向を参考にしているのだと言う。
モチベーションのマネジメント
運動を継続するためのモチベーションも、実はデータから得られる。そして、それは必ずしも自分のデータである必要はない。

「Stravaをはじめて6年、知らず識らずのうちにStravaつながりで交友も広がり、長く会っていなくても互いにログを確認することで、なんだか遠い感じがしません。もちろん、リーダーボードから刺激をもらったり、ルート機能から新たなコースの発見など走るモチベーションアップにも活用しています」
アクティビティの記録は、それそのものがデータである。コミュニティとの繋がりや過去の頑張った思い出、そして自分の成長の証しから、走る楽しさを見出してきたガチオさん。そんな彼だからこそ、長年こうしたデータをストックしてきたことは、ランチューバーの活動と同じくらい、ごくごく自然なことだったのかもしれない。
