photography by Lee Basford
Tokyo Tree Trek
〜Sections 5〜6: 浅草から皇居まで〜
photography by Lee Basford
セクション5は浅草寺から浜離宮まで、隅田川沿いのルート。古くから人口密集地だったこの界隈は、1923年の関東大震災や1945年の東京大空襲で壊滅的なダメージを受けたため、古木や大木を見かけることはほとんどない。吾妻橋からは、2つのルートがある。徒歩であれば、レトロ未来的な水上バスで隅田川を移動して浜離宮に上陸する水上ルート。自転車であれば、隅田川沿いを南に移動し、横網町公園、震災や戦災よって亡くなられた何万人もの犠牲者を弔う東京都慰霊堂、その先には美しい旧安田庭園がある。安田財閥の祖であり安田銀行の設立者でもある安田善次郎(オノ・ヨーコの曾祖父にあたる)が所有し、彼の遺志にもとづいて東京都に寄贈された庭園だ。国技館のある両国を抜け、清澄方面へ。このエリアは、ブルーボトルコーヒー、オールプレス、iki espressoなど、全国的にも知られる個性的なコーヒー焙煎所が点在する。なかでもニュージーランドスタイルのコーヒーと食事を味わえる、ikiはサイクリストにも人気のスポットだ。この先は清澄公園を通り抜けるか、少し時間があれば清澄庭園に立ち寄って、池で遊ぶ亀や鯉を眺めたり、池の端に飛び飛びに置かれた石で礒渡りを楽しむのもいい。

そしていくつかの橋を渡り、古き良き東京の暮らしが残る佃島に到着した。佃の始まりは、300年以上前。徳川家康の命により、大阪から選び抜かれたエリート漁師たちが移住してきたことにある。ごはんのお供、海産物の保存食でもあった佃煮の発祥の地でもある。老舗の天安本店に立ち寄り、お土産の佃煮を購入した。




築地方面の裏通りには、小さな公園が点在する。目的地まであと少し。都会のオアシス、浜離宮恩賜公園を心待ちにしながら進む。浜離宮恩賜庭園には、6代将軍の徳川家宣により植えられ、何世紀もの時代を経て、大勢の職人の手により盆栽のような形を保存し続けてきたという樹齢300年を誇る都内最大級のクロマツがあり、その背景には高層ビルがそびえ立つ。 ここからは浜松町を通って芝公園へのルート。東京タワーがビルの合間に顔を出す。芝公園には、樹齢200年のタブノキ、増上寺にはグラント大統領によって植樹されたヒマラヤスギや、1600年代に徳川3代将軍家光に植えられたと言われる樹高21mものオオイチョウなどがある。ルートに沿いながら裏通りや緑の多い並木を通り抜けると、「出世の石段」がそびえ立つ。86段もの階段を自転車を抱えながら登りきると、東京23区で最も高い山、標高26メートルの愛宕山の山頂、愛宕神社(建設1603年)に到着。山頂には樹木に囲まれた空間の中に静寂がある。昔は、東京湾から房総半島まで見渡すことができたそうだ。




神谷町方面に向かうと、古き良き日本と新しい文化に出会える場所がある。1950年代から続いているホームメイドアイスクリーム専門店「ソーワ」に立ち寄り、神谷町緑道からスウェーデン大使館を抜け、ホテルオークラを通り過ぎ、赤坂方面へ。高層ビルの合間に日枝神社が見える。神社へは階段か現代的なエスカレーターで登る。反対側から出ると、国会議事堂と憲政記念公園に向かう最後の登り坂。最終目的地の皇居外苑に到着する前に、憲政記念公園で風景を楽しむのもいい。そこからTokyo Tree Trek(TTT)のゴール、桜田門が見えてくる。ルートは皇居に向かって下り坂を進み、桜田門から皇居へ入ると、二重橋のお堀を横目に皇居外苑の芝生に出る。外苑には樹齢130年のマツがあり、ここは東京の中でも、歴史と自然が最も調和しながら融合している現代的な場所であると言えるだろう。


ライドの最後に樹齢400年の木の下で食事をとりたければ、明治時代(1903年)に日本で初めて洋式公園として誕生した日比谷公園に行こう。日本で初めて洋食を振る舞った歴史的な洋食レストラン「松本楼」と「首かけイチョウ」がある。100年前におしゃれなお店として評判となった「松本楼」でシンプルな洋食をお手頃な値段で楽しむことができる。


本記事の撮影は東京都の緊急事態宣言の発令前に行われています。ライドに出かける際には、地域の最新状況を確認し、配慮のある活動を心がけましょう。また、Stravaは利用者のみなさんにStravaのコミュニティスタンダードを遵守いただくようお願いしています。運動に取り掛かる前に、地域の規則や要請、健康に関する推奨事項などを確認して、それらに従ってください。