Summit 向けパワー分析機能

アナリシスパックでパワーデータをフル活用

サイクリストにとってバイクの負荷測定や改善のトラッキングツールとして欠かせないパワーメーター。しかし、明確さに欠け、データを十分に利用できないこともあります。ところがアナリシスパックをご利用の Summit アスリートなら心配無用。Strava が、こうしたデータをフル活用するために必要な手段をご用意しました。ここでは、スマートにトレーニングし、ライドを改善するために利用できるメトリックの一部をご紹介します。

加重平均パワー

加重平均パワーは、ライドのパワーの変動を平滑化。時間をかけて緩急のあるライドを行ったときの全体の負荷について、より優れた指標を示します。緩急のあるライドとはたとえば、クリテリウムレース、マウンテンバイク、ヒルクライムなどです。加重平均パワーを使うことで、不均等なライドとより安定したライドの負荷をより正確に比較することができます。

合計運動量

合計運動量とはライド中に消費したエネルギーの総量のことで、キロジュール(kJ)で表されます。消費カロリーとだいたい等しくなります。

トレーニングロード

最も有用なパワーメトリックの 1 つがトレーニングロードです。この数値はアクティビティが身体にかけているストレスの量を表すもので、持続可能体力値に基づいて計算されます(以下で説明)。1 時間持続できる程度の負荷でライドした場合、トレーニングロードは 100 になるはずです。長距離のエンデュランスライド中であれば、トレーニングロードは 1 時間あたり 40〜60 程度になるかもしれません。大半のメトリックと同様、大切なのはライドの後に毎回チェックすること。そうすることで、やがてワークアウト中の体感で数値を直感的に理解できるようになります。

シーズンを通して自分の成長度をモニタリングしたり、過剰なトレーニングの兆候を見つけることができる Fitness & Freshness のグラフは、アナリシスパックの目玉機能の 1 つ。トレーニングロードはこの機能の重要な要素です。詳しくはこちらをご覧ください

パワーカーブ

サイクリングには多くの変動要因(機器、風、勾配、ドラフティング)があるため、あるライドと別のライドを比較し、成長度を測定することは簡単ではありません。しかし、パワーカーブがあれば、「自分は速くなっているのか?」という大切な疑問の答えを手に入れることができます。この機能はライド中のさまざまな期間の最高平均パワーを示し、これを過去のライドと比較することができます。最近の数値や年単位でフィルタリングしたり、カスタム範囲を設定して、シーズン中や過去の全期間中で最高のパワー値が出ているかどうかを確認することができます。これを活用することで、たとえ同じ区間でライドを行わなかったとしても、特定の期間で自分の力が上がっているかどうかを知ることができます。

パワーゾーン分布

パワーゾーンは、さまざまなレベルの運動をゾーンと呼ばれるグループに分割したものです。ゾーンは 1 から 7 まであり、1 は基本的に惰走、7 はスプリントに近い状態です。(注:正確なゾーンを取得するには、閾値テストと呼ばれるものを行う必要があります。後ほど詳しく説明します。)この機能は、行いたいトレーニングのタイプ次第で利用方法が変わります。目標が「エンデュランスライド」であれば、ゾーン 2〜3 のタイムを目指すと良いでしょう。これは、ワークアウトの「ジャンクマイル」(ゾーン 1 の無駄なトレーニング)を最小限に抑える上で非常に有用です。

パワーゾーンはレース分析にも利用できます。クリテリウムレースから取得したこのファイルを見てみましょう。ライダーが費やした時間の大部分はゾーン 1 と 7 に分類されます。これは、このアスリートが非常にメリハリのあるライドを行った証拠です。ゾーン 2〜6 の時間が長いと、レース終盤の大事な場面でスタミナ切れになってしまう可能性があります。次回のレースの後はパワーゾーン分布をチェックし、ゾーン 1 の時間ができるだけ長くなるように心がけましょう。そうすれば、ゾーン 7 に使うエネルギーを温存しておくことができるでしょう。

強度

Strava における強度は、ライドの難易度を示す指標です。Strava はライドの加重平均パワーを確認し、これを持続可能体力値と比較します。たとえば、加重平均パワーが 227W で持続可能体力値が 280W の場合、強度は 81% になります。

持続可能体力値とは

持続可能体力値(FTP)は特定のテストを使って測定することができる数値で、パワートレーニングの重要な要素になります。これは、Summit の数々のパワー機能を個々の能力に対して調整するために使われるベンチマークです。Functional Threshold Power(持続可能体力値)の “Threshold”(閾値)は、生理学的には筋肉から分泌できる量を超える乳酸を身体が生成し始めるポイントのことです。閾値を下回るペダリングは「有酸素」運動になり、長時間持続することができます。閾値以上のペダリングは「無酸素」運動になり、この負荷を持続できる時間は限られます。筋肉に大量の乳酸が溜まり、身体がペースダウンを命令するからです。

FTP の測定方法として最も一般的なのは 20 分間全力で走り、その 20 分間の平均パワーを取得して 5% を差し引くことです。6〜8 週間ごとにテストを行ってシーズンを通じてフィットネスをトラッキングするのが理想的です。

毎回のテストをフル活用するためのヒントをご紹介します。

1. すべてのテストで同じ条件を再現するように心がけましょう。つまり同じ道路を走り、いつも同じトレーナー/ローラーを使うようにしましょう。

2. 身体の状態を整えましょう(直前の数日間はトレーニングの負荷を軽くします)。

3. きちんとウォーミングアップしましょう!

パワーメーターを持っているアスリートは、Strava Summit に登録することでこれをさらに活用できます。アナリシスパックを手に入れて目標を達成しましょう。